1997年
第一回WSC開催
〜業界動向〜


1996年バンクーバーでの日米会議においては、日米半導体協定における政府間協定に代わりダンピング防止の枠組みを取り決めこれに加盟メーカの自主参加を求めることが合意された、 これを受けに日米業界(日本:EIAJ、米国:SIA)が「半導体の国際協力に関する協定」に調印した。内容としては(1)業界間の協力活動の継続(UCOMの暫定継続、標準化、環境・安全・健康問題)、(2)半導体市場、貿易フローの分析、 (3)半導体全体会議の創設が合意されたが、(1)(2)については(3)の全体会議の枠組みの中で実施することで、具体的な活動として1997年4月に欧州(EECA-ESIA)、韓国(KSIA)が参加の各半導体工業会が参加し、 第一回WSC(World Semiconductor Council)が開催された。その後1999年に台湾(TSIA)が参加し、また2006年には中国(CSIA)が参加し2010年では世界主要6地域がメンバーとなっている。WSCにおける各極の工業会の呼称はSIA in US、SIA in Japan、SIA in EU、SIA in Korea、SIA in Chinese Taipei、SIA in Chinaで統一されている。

WSCの目的はWTOの趣旨に基づく健全な業界のあり方を検討することであり、具体的な検討テーマは(1)環境(PFC、RFOS、化学物質等)、(2)市場分析、(3)知的財産保護、(4)環境(半導体産業の環境面への社会貢献、省エネ)、(5)自由で開かれた市場に向けた政策の政府への要望(関税分類、関税、投資制限の撤廃、原産地表示)等地域間にまたがる半導体産業の課題を解決することである。WSCは年1回各地域持ち回りで開催され各極の半導体トップが集まり議論されるが、その結果はWSC提案書としてまとめられ、WSCに続き年1回開催される各極の半導体工業会を所轄する政府関係者をメンバーとするGAMS(Governments Authorities Meeting on Semiconductor)の場に提言し、課題解決策が各極政府・当局間で議論される。


【参考文献】
『ICガイドブック(2009年版)』(社)電子情報産業技術協会


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【最終変更バージョン】
rev.000 2010/10/15