2015年
ハロゲンランプ、水銀灯を凌駕する
高光束・高効率白色LEDを開発
(シチズン電子)
~個別半導体・他~


LEDでは、幾つかある特長の中でも特に発光効率の高さに注目される。従来光源との比較は図-1の通りで、特に日本国内では東日本大震災による電力エネルギーインフラの急変と、これに伴う省エネ意識の高まりから、LED照明の市場普及・一般化が急速に進んだ。
当初、照明のLED化は、100W以下の白熱電球や40W以下の蛍光灯等、光束量が比較的小さな応用分野から普及が始まったが、その後、高出力ハロゲンランプや水銀ランプの様な大出力HIDランプ分野等、屋内外を問わず、大光量を必要とする高度な照明器具分野においても着実にLED化が進みつつある。

従来光源のLED置き換えにあたっては、照明器具の製品全体サイズや配光制御性を大きく変えないことが望まれるが、この要望を満たすためには従来光源と同様に発光密度を高めた単一パッケージから大量の光束を出力可能にすることが必要となる。図-2は複数パッケージと単一パッケージで物体(被照射物)を照らしたときの影の出かたを比較したものである。単一パッケージの方がより自然な陰影が得られることが判る。

高効率・低消費電力とは言え、HIDのような屋外で使用するような大光量の照明器具をLED化するとなるとLEDパッケージへの入力電力は数百Wにも及び、LEDダイスを高密度に実装した高出力対応のLEDパッケージにおいては、発光効率の維持と信頼性確保のためのパッケージ材料選定を含めた総合的な放熱設計が最も重要な設計課題となる。
シチズン電子では、開発当初より照明用LED製品には発光効率と放熱性能に重点を置いたCOA(Chip On Aluminum)構造を採用し、様々な形態での従来光源置き換えを想定して幅広い製品バリエーションをラインアップしてきた。(図-3)

さらに、2015年には1kW水銀灯の置き換えを可能とするCLU550シリーズの製品化を実現した。(図-4)
・定格駆動電力240W (光束:36,650 lm、発光効率:151 lm/W ) 
・最大駆動電力595W (光束:71,735 lm、発光効率:120 lm/W ) 


図1:白色LED と従来光源の発光効率


図2:複数パッケージによる照明(左)と単一パーケージによる照明(右)
(提供:シチズン電子)
図3:白色LEDの製品例(0.1Wから1kWまでをカバーしている)
図4:7万ルーメンの全光束を出力できるLED(外形寸法38.0 mm×38.0 mm×1.4 mm)
(提供:シチズン電子)

【参考文献】
(1) 日本電球工業会“日本電球工業史 第5追補版(2003年~2012年)”pp.76-77、(2014年3月)
(2) シチズン電子(株)照明用LED技術情報
http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/dl_data/tech/jp/CLL030/CLL030_Th_P1615_1011_J.pdf


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【最終変更バージョン】
rev.001 2016/04/1