1993年
Newton (アップル)、 液晶ペンコム「ザウルス」<PI-300> (シャープ)
〜応用製品〜



1992年5月アップルは個人情報端末(Personal Digital Assistant)と呼ばれる製品コンセプトを発表、翌1993年8月、初代Newton を発売した。Newtonは手書き認識機能、外部接続機能そして独自のOSを有する最初のPDA製品となった。Newtonと同じ年の10月、シャープは液晶ペンコム「ザウルス」PI-300を発売した。「ザウルス」は、電卓、電子辞書に加えスケデュール管理やアドレス帳機能などを持ったそれまでの電子手帳と呼ばれる製品群の発展形である。ペン入力と手書き文字認識機能が強化されまた外部接続機能を持ったことで、「ザウルス」は同時期に開発されたアップルのNewtonとともに個人情報端末(Personal Digital Assistant)を代表する製品となった。その後、国内外から各社独自のPDA製品が発売されるなかで、「ザウルス」は先頭のPIシリーズに続き、MIシリーズ、MTシリーズ、SLシリーズを開発、その用途の多角化と製品ラインアップの拡大を進めた。OSについても独自OSからLinux へ、CPUは8ビットから32ビットへ強化され、「ザウルス」はPDAと呼ばれる製品ジャンルを牽引してゆく製品へと成長、発展した。2000年代に入って携帯電話の高機能化が急速に進行するに伴い、PDAと呼ばれる製品群は徐々に市場を失っていった。2007年にアップルのiPhoneが登場し、ビジネスモデル面、機能面、性能面で画期的なコンセプトのSmart Phone が大きな市場を形成、拡大してゆくことになるが、Newtonや「ザウルス」に代表されるPDAはこの画期的なSmart Phone のコンセプトにつながる重要な源流の一つと考えられる。


 
The Apple Newton Personal Digital Assistant(提供:CHM)
© Mark Richards. Courtesy of the Computer History Museum

液晶ペンコム「ザウルス」 <PI-3000>  (提供:シャープ)

【参考文献】
[1] Apple Newton<1>
[2] Apple Newton<2>
[3] 液晶ペンコム「ザウルス」<PI−300>
[4} Zaurus<1>
[5] Zaurus<2>
[5] iPhone 3Gを世界に発売 (アップル)


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【最終変更バージョン】
rev.001 2017/5/28