1950年代 前半

ゲルマニウム(Ge)単結晶

〜装置・材料/結晶・拡散・成膜〜


ベル研究所(Bell Telephone Laboratories)は第2次大戦中にレーダー用のGe整流器を開発した際、チョクラルスキー法によってGe単結晶を形成した。1947年にベル研究所が発明した点接触型トランジスタの半導体には、このチョクラルスキー法ゲルマニウム(Ge)単結晶が使われた[1]。 チョクラルスキー法は1916年にJan Czochralskiによって発明された[2]。 溶解した金属に針状の種結晶を浸してゆっくり引上げ、棒状の単結晶を成長させる方法である。

1950年代に主流となったドナーとアクセプターとなる不純物を選択的に導入してp-n-p接合を有する接合型トランジスタでは、高純度のゲルマニウム(Ge)単結晶が必要であった。そのため、Geインゴットを高純度化するゾーンメルト法が1952年にベル研究所のWilliam G. Pfannによって開発された[3]。 液体‐固体間の相転移現象によって液相側に不純物が拡散する性質を利用して、インゴットの一端を部分的に溶解し、溶解部を徐々に移動させて反対側の端部へ不純物を排出させる方法である。ゾーンメルト法はこの後、高純度シリコン(Si)単結晶を形成するフローティング・ゾーン法の礎となった。

半導体メーカー各社はチョクラルスキー炉やゾーンメルト炉を自作し、Ge単結晶を内製化してトランジスタを生産した。日本国内でも1954年にソニー、日立などがチョクラルスキー引上げ炉を自作してGe単結晶を内製化し、各社が自作を開始した。さらに高周波誘導加熱装置や磁気変調式温度制御装置を開発していた国際電気(後の日立国際電気、現KOKUSAI ELECTRIC)は、1957年、電気試験所(現在の電子総合研究所)の要請を受けてチョクラルスキー炉(図1)、ゾーンメルト炉を製作し、販売を開始した。


図1 ゲルマニウム・シリコン単結晶引上装置(KOKUSAI ELECTRIC提供)


[参考文献]
[1] W. Shockley “The Path to the Conception of the Junction Transistor” IEEE ED-23 no.7, 597-620, 1976
[2] チョクラルスキー
[3] ゾーンメルト法


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[1] 1950年代後半:内製の装置によるゲルマニウムトランジスタの量産
[2] 1960年代前半:シリコントランジスタ用にCZ法によるSi結晶の製造開始
[3] 1950年代後半:シリコン単結晶
[4] 1960年代後半:シリコンウェーハのサプライチェーン確立
[5] 1980年代:SIMOXウェーハ
[6] 1990年代前半:200mm(8インチ)ウェーハへの移行
[7] 2000年代前半:300mmウェーハへの移行


[最終変更バージョン]
Ver.001 2018/07/09