1950年代 後半

気相拡散源と拡散炉

〜装置・材料/結晶・拡散・成膜〜


初期のトランジスタの拡散層形成は、n型にはP2O5やSb2O5、p型にはB2O3やGa2O3などの個体材料からの固相拡散法が用いられていた。しかしこの方法では、拡散源の局部的凝集による欠陥が発生しやすく、高周波特性を高める薄いベース層を形成するには不安定であった。1957年、ベル研究所(Bell Telephone Laboratories)のCarl FroschとLincoln Derickはシリコン酸化膜をマスクとしてPOCI3やB2H6などのガスを電気炉中(横型拡散炉)で気相拡散させる方法を開発した[1]

マスクとなるシリコン酸化膜の熱酸化法は、気相拡散法の開発中に水素が爆発する事故が発生し、爆発によってできたH2Oによってシリコン表面に酸化膜が形成されたことから誕生した。以後、横型拡散炉による熱酸化法が使用されるようになった。

1959年、Fairchild SemiconductorのJean Hoerniはこの気相拡散法を展開させてプレーナープロセスを開発し[2]、さらに同年、Jay LastとRobert Noyceはステップ・アンド・リピート法[3]によるフォトリソグラフィ技術を適用してプレーナ型集積回路技術の発明[4]に到った。


[参考文献]
[1] Computer History Museum, “Development of Oxide Masking”
[2] Computer History Museum, “Invention of the planar manufacturing process”
[3] 半導体歴史館: 1959年:ステップ・アンド・リピートカメラ
[4] 半導体歴史館:1959年:プレーナ型ICの発明(Robert Noyce、米国 Fairchild)


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[1] 1960年代前半:横型拡散炉による熱酸化膜及び気相拡散へ移行
[2] 1960年代前半:シリコントランジスタ製造にエピタキシャル技術を採用
[3] 1960年代前半:横型拡散炉
[4] 1960年代後半:常圧CVDによる酸化膜採用

[5] 1960年代後半:CVD酸化膜を低雑音化プロセスに応用

[6] 1970年代前半:Poly Si/Oxide/SiNの成膜に減圧CVDを採用
[7] 1970年代前半:イオン注入による閾値制御
[8] 1970年代:減圧CVD(LPCVD)装置
[9] 1960年代後半:イオン注入装置
[10] 1980年代前半:イオン注入による拡散源形成に移行
[11] 1980年代:プラズマCVD(低温SiO2/SiN)主流
[12] 1990年代前半:HDPエッチ&CVD(ECR、ICP)
[13] 2000年代:ALD(原子層成膜)

 


[最終変更バージョン]
Ver.001 2018/07/09