1960年代前半

エピタキシャル成長装置

〜装置・材料/結晶・拡散・成膜〜


エピタキシャル成長法は、1951年、ベル研究所(Bell Telephone Laboratories)のGordon Teal とHoward Christensenによって開発された。1960年、ベル研究所のHenry Theurerは、SiCl4の水素還元法による化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)よってSi基板上にSi単結晶膜を成長させた[1]。メサ型トランジスタを皮切りに、以後集積回路(IC)プロセスに広く適用されることとなった。

初期のエピタキシャル成長装置は、縦型の石英管にシリコンウェーハを乗せたグラファイト基板を入れ、これを高周波誘導加熱し、SiCl4と水素ガスを導入する機構であった。後に石英管を横にしてグラファイト基板に複数枚のシリコンウェーハを乗せ、生産性を上げる構造にされた。

国際電気(後の日立国際電気、現KOKUSAI ELECTEIC)は日本の半導体デバイスメーカーの要請の下で、1962年に縦型石英管方式の研究開発用枚葉エピタキシャル装置(R-461)を開発し、1963年に25mmウェーハを6枚装着する生産用装置(DC-1600)を発売した(図1)[2]。1960年代後半にはApplied Materials、ついで国際電気から金属容器(ベルジャー)を用いたパンケーキ型エピタキシャル装置が開発された。

1960年代後半には、SiO2やPSG(Phospho-Silicate Glass)膜の化学気層成長(CVD)が使用されるようになり、パンケーキ型エピタキシャル装置と同型の装置が各社から市販されるようになった。

 


図1 エピタキシャル成長装置(DC-1600)
(KOKUSAI ELECTRIC提供)


[参考文献]
[1] Computer History Musium:“Epitaxial Deposition Process Enhances Transistor Performance”
[2] 半導体歴史館:黒河治重 “シリコンエピタキシャル装置の開発”


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