1960年代後半

イオン注入装置

〜装置・材料/結晶・拡散・成膜〜


イオン注入法[1]は1970年代にそれまでの気相拡散法[2]に代わる接合層を形成する方法であり、MOSトランジスタの比例縮小(スケーリング)[3]を可能にした。

イオン注入法による接合層形成のアイデア(イオン・ボンバードメントを用いる)は、1950年前後からベル研究所(Bell Telephone Laboratories)のR. OhlやW. Shockley等から特許出願されていた[4][5]。トランジスタ形成には気相拡散法が実用化されたものの、イオン注入法は50年代、60年代を通じて世界の多くの企業・研究機関で開発が続けられ、様々なイオン注入装置が試作された[1]。イオン注入(Ion Implantation)の用語は1965年のAarhus ConferenceでK. Manchester等の論文によって登場したとされる[6]

イオン注入法によるトランジスタ形成プロセス開発が本格的に始められる契機となったイオン注入機としては、1968年のHuge Aircraftの 300KeVのイオン注入装置と1969年のソルボンヌ(Sorbonne)大学 の150KeVのイオン注入装置が挙げられる[7] 。日本では1969年に日立が200KeVのイオン注入装置を開発し、二重イオン打込みトランジスタやMOSFETの開発に使われた。

その後1973年には、Accelerator Inc.、Varian(Extrion)、Lintottなどから生産用イオン注入装置が発売され、イオン注入法の実用化された[1][7]。日本では1974年に、日新、日本真空が国産化した。


【参考文献】
[1] 半導体歴史館:1970年代前半:イオン注入による閾値制御
[2] 半導体歴史館:1950年代後半:気相拡散源と拡散炉
[3] 半導体歴史館:1974年: MOSFETの比例縮小則発表(R. Dennard 米国 IBM)
[4] W. Shockley, "Semiconductor translating device," US Patent 2,666,814, filed 27 Apr 1949
[5] R.S. Ohl, "Semiconductor translating device," US Patent 2,750,541, filed 31 Jan 1950.
[6] R. Fair, “History of Some Early Developments in Ion-Implantation Technology Leading to Silicon Transistor Manufacturing”
[7] The Chip History Center, “History of Ion Implantation”
https://www.chiphistory.org/112-history-of-ion-implantation


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[1] 1960年代前半:横型拡散炉による熱酸化膜及び気相拡散へ移行
[2] 1960年代前半:横型拡散炉
[3] 1970年代前半:イオン注入による閾値制御
[4] 1974年:イオン注入装置の国産化
[5] 1974年: MOSFETの比例縮小則発表(R. Dennard 米国 IBM)
[6] 1980年代前半:イオン注入による拡散源形成に移行
[7] 1990年頃:シャロージャンクション・シリサイドソース/ドレイン技術の使用
[8] 1990年代:ランプアニール装置


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Ver.001 2018/07/09