1970年

減圧CVD(LPCVD)装置

〜装置・材料/結晶・拡散・成膜〜


減圧CVD(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition : LPCVD、低圧CVDともいう)は1970年代前半から大規模集積回路(LSI)製造に使用され始めた。[1] 大気圧の1/100〜1/10000の減圧下で化学気相成膜する方式である。それまでのCVD成膜は大気圧(常圧)下で行われた。減圧することによって反応ガス分子の平均自由行程が長くなり、ウェーハ内、ウェーハ間の膜厚均一性、およびチップ内の段差被覆性が大幅に向上した。

半導体製造技術におけるLPCVDの成膜は、1971年、富士通から発表された[2]。 ボロンガラス(Borosilicate Glass:BSG)膜を成長させる方法であり、横型拡散炉[3]に真空ポンプを取り付けて真空バルブで圧力制御する装置を用いた。これが後のLPCVD装置の基本構造となった。

高集積化とともにLPCVD法による成膜の必要性が高まり、1970年代中頃から、多結晶シリコン(Poly-Si)と窒化シリコン(Si3N4)のLPCVD装置が、国際電気(後の日立国際電気、現KOKUSAI ELECTRIC)、AMI、Thermco(現東京エレクトロン)、Unicorpなどから一斉に販売されるようになった[4]。 1970年代後半には、酸化膜(SiO2)などの成膜にも展開され、これらの成膜の標準技術となった。

 
図 LPCVD装置(DJ-8300)  (KOKUSAI ELECTRIC提供)

【参考文献】
[1] 半導体歴史館:1970年代前半:Poly Si/Oxide/SiNの成膜に減圧CVDを採用
[2] 谷川栄機, 佐藤淳二, 前田和夫, 岡部太郎 “BoronのSolid State拡散” 半導体・集積回路の生産技術シンポジウム 講演要旨集p45-48, 1971
[3] 半導体歴史館:1980年代前半:横型拡散炉
[4] 黒河治重, 赤井康亮, 安田斌 “減圧式CVD装置と半導体デバイス” 電子材料1976年12月号 p95-101


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[1] 1960年代前半:横型拡散炉による熱酸化膜及び気相拡散へ移行
[2] 1960年代前半:シリコントランジスタ製造にエピタキシャル技術を採用
[3] 1960年代前半:横型拡散炉
[4] 1960年代後半:常圧CVDによる酸化膜採用
[5] 1960年代後半:CVD酸化膜を低雑音化プロセスに応用
[6] 1960年代後半:イオン注入装置
[7] 1970年代前半:Poly Si/Oxide/SiNの成膜に減圧CVDを採用
[8] 1970年代前半:イオン注入による閾値制御
[9]1970年代後半: プラズマCVD装置
[10] 1980年代前半:イオン注入による拡散源形成に移行
[11] 1980年代:プラズマCVD(低温SiO2/SiN)主流
[12] 1990年代前半:HDPエッチ&CVD(ECR、ICP
[13] 2000年代:ALD(原子層成膜)


[最終変更バージョン]
Ver.001 2018/10/01