日本半導体イノベーション50選  (D-12 1990年代)

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CD用VSIS構造半導体レーザー開発と量産化

1970年、ベル研究所が発明したGaAs/AlGaAsダブルヘテロ構造レーザーは、当初寿命が短く、構造が複雑で製造歩留まりが悪く、高価なため、計測、通信などの分野には使用されたが、大量生産を必要とする民生機器への使用には難点があった。1982年に、シャープは独自のp型GaAs基板を使用したVSIS (V-channeled Substrate Inner Stripe) 構造のレーザーを開発し、約4万時間という当時としては驚異的な寿命を達成すると共に大量生産化にも成功した。これにより、ソニーとPhilipsが進めていた家庭用CDプレーヤの商品化が可能になった。このレーザーは、今日の半導体レーザーの各種民生機器への適用の先駆けとなった。

レーザー断面の顕微鏡写真
( シャープ技報、第99号pp. 4〜9より)

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シャープHP OB短信 「レーザー誕生秘話」(PDF)