日本半導体イノベーション50選  (T-8 1980年代)

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測長SEMの開発と製品化

日立製作所は1984年に走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて半導体デバイスの寸法測定を行うという独自構想から画期的な製品「測長SEM S-6000」を開発した。SEMの持つ、観察、分析、測長などの機能の内、測長機能に特化して作り上げられた装置。特に半導体の製造ラインでプロセスの寸法管理に用いられ、数百nmのパターン幅の自動測定を行う。非導電性試料を扱うことになるため、1kV以下の低加速電圧が使われ、これにより試料の損傷も防いでいる。パターンのエッジを自動的に検出して測定を行うため、標準マイクロスケールといった倍率標準試料を用いて較正を行い、より測定精度を上げている。2008年データのデータによると、日立製作所が世界市場の80%超のシェア確保している。

世界初の測長SEM「S-6000」の外観
(日立評論2009年11月号より)

リンク欄

日立評論2009年11月号(PDF)
「イノベーションを支える電子顕微鏡の進化」

日立ハイテクテクノロジーズHP ニュースリリース(PDF)
「電界放出形電子顕微鏡の実用化」が「IEEEマイルストーン」に認定