中堅企業が相次いで参入

  
日本無線が開発したゲルマニウムトランジスタやダイオード

 先行2社が参入を果たした1954年頃になると、日本の電機各社は多かれ少なかれ半導体の研究開発に着手、いくつかの企業はサンプルの供給を行っている。
 写真は日本無線が開発したゲルマニウムトランジスタやダイオードで、容器の形状も様々である。同社にはわが国半導体草創期に活躍した深川修吉氏や山下蓁氏(後に新日本無線社長)らが陣取り、同社の研究開発グループを陣頭指揮していた。山下氏は「日本無線は真空管ラジオをやろうとしたことがあるがうまくいかなかった。真空管の次はトランジスタだということで研究を始めたが、事業化の中心になったのはダイオードだった」と語っている。
 同社はその後、米Raytheon社と技術業務提携を結び、それが新日本無線の誕生につながった。
 (西澤潤一氏提供)

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