「バレーを創った男」逝く

 
米Intel広報誌「Inteleads」のRobert Noyce氏追悼号に掲載された志村の追悼文 (拡大可能)

 「シリコンバレーを創った男」と称され「半導体産業が生んだ不世出の技術者」と敬愛の念で受け止められたRobert Noyce氏は1990年6月3日、突然不帰の客となった。
 日本に後れをとる米国半導体産業の再生を目指す官民合同会社「セマテック」のCEOとしてテキサス州オースチンに滞在中、心臓発作で急逝したものだ。察するにIntel副会長を兼務しながらの激務に、心労が重なったのだろう。
 私はIntel本社の要請を受けて同社広報誌のNoyce氏追悼号に「Bob Noyceは比類の才能と積極性に恵まれた技術者だったが、同時に心優しく、微笑みを絶やすことはなかった」と書いた。それも最初の頁に8枚のNoyce氏の写真に囲まれるようにして掲載されたのには、少なからず驚き、恐縮した次第。
(米Intel広報誌「Inteleads」1990年7月号より)

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