1993年から1996年
Windows 対応PCブームを背景に世界半導体市場は
前年比30%台の好況を維持。
(Windows対応PCブーム)
〜業界動向〜


1992年〜1993年にかけMicrosoftよりWindows3.1がリリースされ、より使いやすくなったPCはより普及が進んだ。また1993年にIntelがペンティアムを市場導入し、1984年にはIBMがPC/AT互換機を発売し、ハードウエアやインターフェースの共通化が図られ、ソフトや周辺機器が複数のPCで利用することが可能になった。更にオープンアーキテクチャであったことにより、アジアメーカを含む多くのメーカがPC/AT互換機市場に参入しPC市場が大きく拡大する要因となった。1995年にはWindowsがリリースされ、その後のデスクトップPCのOSの標準の地位を獲得した。これはGUIの向上、ファイル名長の制限拡張(255バイト)が特長であるが、特にネットワーク機能の充実、プラグアンドプレイによる周辺機器の接続の容易性はPC本体のみならず、外部記憶装置やプリンター等の周辺機器の需要も喚起した。

更にメモリは8MB以上12MB以上が推奨され、PC/AT互換機の普及と共に当初は4MDRAMの好調な需要増、さらに16MDRAMの需要拡大をもたらした。

また、Windows95によるインターネット機能の充実はその後のPCの普及に大きな影響を与えた。特に1995年前後の米系多国籍投資銀行はPCを使ったインターネット機能や情報データのグローバルネットワーク化等に代表されるIT技術を活用した新たなグローバル・ビジネスモデルを誕生させ、このために各国金融系企業にもPCを活用した新たなOA化の動きが急速に起こりPCや増設メモリの需要の急激な拡大が起こった。この動きはSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)と呼ばれるPC等を使った個別システムの普及や、事務の効率化という観点で産業界全体にも広がりPCの普及に拍車をかけた。PCによる新たな潮流は個人の需要にも拡がったが、その拡大速度は企業の需要に比べると比較的ゆっくりしたものであり1995年に法人需要を中心にした一連のPC導入ブームのあと、1995年末には一転してPCの需要の伸びも緩慢なものとなった。

この時期は半導体各社の16MDRAMの生産が本格化し一転して供給過剰の状態になり、さらに64MDRAMの市場導入の時期と重なっておりこの競合によるメモリの供給過剰、価格低下を招いた一因ともなった。

 
世界の半導体出荷前年比(半導体計、DRAM)
(ICガイドブックのデータから作成)

【参考文献】
1) 日本半導体年鑑1998年版 プレスジャーナル社
2) ICガイドブック(2006年版)


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【最終変更バージョン】
rev.000 2010/10/27