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2002年 10Gbps面発光型半導体レーザー発売 (富士ゼロックス) 〜個別半導体・他〜 |
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面発光レーザー(VCSEL: Vertical-Cavity Surface Emitting Laser)は東工大・伊賀が発案し、1988年に世界で初めて室温連続動作を達成した日本発の半導体レーザーである。 一般のレーザーは半導体基板ヘキ開端面を反射鏡として、端面からレーザー光を放出する端面発光型レーザーである。これに対してVCSELは、半導体基板面と垂直な方向に共振器を有し、半導体表面よりレーザー光を放出する。活性層体積が小さいため小電流、高速駆動が可能で、2次元レーザーアレイも容易に実現できるなど、端面発光型にはない利点がある。 典型的なVCSELの断面構造を図に示す。 MOCVD法により、n型GaAs基板上に、n型バッファ層、40.5周期のn型Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1As DBR(Distributed Bragg Reflector)層(Siドープ)、3重量子井戸Al0.12Ga0.88As/Al0.3Ga0.7As活性層、p型AlAs層(Znドープ)、24周期p型Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1As DBR層(Znドープ)、p型GaAsコンタクト層(Znドープ)を順次積層する。塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング法でn型Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1As DBR層が露出するまでドライエッチングしてメサ構造を形成する。緑色で示す酸化アパーチャは、P型AlAs層をメサ側面より水蒸気酸化することで形成する。 このようにVCSELは非常に複雑、精密な結晶成長技術が必要なため実用化が遅れたが、1994年にAlAs Lateral酸化技術をVCSELの電流狭窄手段に用いてから、VCSELの性能は飛躍的に向上し、1万時間以上の寿命が確保できるようになった。1996年Honeywellが市場参入したのを契機に、米国では1999年から高速LANで本格的に採用されるようになった。 富士ゼロックスでは酸化アパーチャ径を正確に形成するために、OPTALO(Optical Probing Technique for AlAs Lateral Oxidation)と呼ばれる、酸化の状態をその場観察しながらAlAsを水蒸気酸化する技術を開発し、発振波長850nm、光最大出力4mW、変調速度10Gbps以上の世界トップレベルの性能を有する面発光型半導体レーザーを開発した。なお同社は電子写真式プリンタ向け8×4シングルモードVCSELアレイも商品化している。 |
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【参考文献】 (1)乙間広己、他“面発光レーザアレイの開発”富士セロックス テクニカルレポート No.14、 pp.4-12, (2002) http://www.fujixerox.co.jp/company/technical/tr/2002/02_01.html (2)植木伸明、他“面発光型半導体レーザアレイ素子を使った露光装置”富士ゼロクッス テクニカルレポーチ、No.16、pp.11-19、(2006) http://www.fujixerox.co.jp/company/technical/tr/2006/s_02.html 【移動ページ】 個別半導体他/該当年代へ 【最終変更バージョン】 rev.000 2010/10/26 |