2000年代前半
300mmウェーハへの移行
〜プロセス技術〜


2000年代前半、先端デバイス量産ラインにおいて従来の8インチウェーハから面積が2.25倍の300mmウェーハへの移行が行われた。同時に、世界標準として12インチから300mmと言うmm規格への移行も行われた。(以降8インチウェーハも200mmウェーハとなった。)

300mm化の主たる目的は、1チップ当たりの単価低減で200mm装置との比較において装置メーカへも“同等のウェーハ処理スピード”と“装置価格上昇の抑制”が要求された。同時に高性能化も必要とされた為、移行にはそれなりの時間を要した。

世界で初めて300 mmウェーハでデバイスを量産した半導体工場はトレセンティテクノロジーズ(茨城県ひたちなか市)であり、日立とUMCの合弁会社として2000年3月に設立され、2001年3月から量産を開始した。そこでは枚葉式生産方式の採用によって短TATを実現し、0.13μmの最先端プロセス技術を導入しシステムLSIに活路を求めた。

一方、2001年4月にはSeleteを含めたあすかプロジェクトが発足し、300mm量産ライン構築の手助けとなるべく筑波のスーパークリーンルームにて研究開発を推進した。

その後、次々と300mm工場が作られ、2005年までには東芝(Flash/四日市・システムLSI/大分)、富士通(システムLSI/三重)、エルピーダ(DRAM/広島)、NEC(システムLSI/山形)とそろい踏みした。

装置技術としては8インチ時代のオープンカセット+AGV搬送からFOUP(封止型ボックス)によるウェーハ搬送への対応に大きくシフトした。

また、大口径化に必要なプロセス技術の向上、微細化に必要なパーティクル低減などが進められ、洗浄など枚葉式への転換も色々と提案された。

反面、メモリー量産ラインでは引き続きバッチ式縦型炉などの需要が強くメモリーとシステムLSIのニーズに相違が生じたのもこの時期である。

【参考文献】
300mmウエファーのCMP技術 Selete 近藤誠一


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【最終変更バージョン】
rev.000 2010/10/26