1970年代中頃
リソグラフィー技術がコンタクト露光方式から
プロキシミティ露光方式へ移行
〜プロセス技術〜


1960年代から使われてきたコンタクト方式の露光装置では、マスクとフォトレジストを密着させるのでマスクにゴミが付着するという問題があった。1970年代中頃になると、この問題を避けるためにマスクをウエーハから極わずか離して露光するプロキシミティ露光装置が導入された。米国Kasper社が1974年にプロキシミティ機能付きのコンタクト露光装置を発売、同年キヤノンもプロキシミティ露光装置PLA-300を発売した。1978年にキヤノンから自動マスク合わせ機能を持ったプロキシミティ露光装置PLA-500FAが発売されると、広くプロキシミティ方式のリソグラフィーが使われるようになった。

プロキシミティ露光では、マスクとウエーハとの間に隙間があるのでコンタクト方式に比べて少し解像度が落ちる。しかし、パターンエッジの切れの良いハードマスク(感光乳剤の変わりにクロムでパターンを形成したマスク)が使われるようになり、またフォトレジストもエッジの切れの良いポジ型に移行していったことによって、微細加工のトレンドに合致したリソグラフィー技術が提供された。

フォトレジストはShipley社、Hunt社、Kodak社などからの輸入が続いていたが、この頃になると東京応化や日本合成ゴム(JSR)などの日本のフォトレジストメーカが台頭し始めた。
プロキシミティ露光装置PLA-300
(写真提供:キヤノン)
自動合せプロキシミティ露光装置PLA-501FA
(写真提供:キヤノン)


【参考文献】
1) キヤノン(株)技術のご紹介
http://www.canon.us/technology/approach/core_tech/lithography.html


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【最終変更バージョン】
rev.002 2013/7/30