1990年代
枚葉化装置の量産導入

〜プロセス技術〜



装置開発においては常に生産性とプロセス品質の背反する課題を抱えながらバッチ式、スモールバッチ式、枚葉式(ウエーハを1枚ずつ処理する方式)の選択を迫られる。枚葉化の動機としては、均一性向上、ゴミ削減、タクトタイム短縮など様々な要求があげられる。
1980年代後半にはバッチ中心だったPECVD装置が横型バッチ式から枚葉式(スモールバッチ含む)に移行した。最大の目的は膜厚均一性の向上であるが、枚葉式の成膜レートが急激に向上した事が切替えの後押しとなった。
また、エッチングにおいて異方性プラズマ方式が台頭し、等方性ウエット(バッチ)式から枚葉式に移行した。1987、1988年とアプライドマテリアルズ、東京エレクトロンが枚葉エッチング装置の発売を開始したのもこの時期である。この場合の主たる動機は等方性エッチングから異方性エッチングへの変革による微細化の向上であった。
1995年には枚葉のRTP装置がAMATから発売され、バッチアニール炉の一部が枚葉式に移行するきっかけとなった。
1990年代になると枚葉式洗浄装置が発売され、Cuの洗浄用等に枚葉装置が浸透した。2000年には大日本スクリーンから枚葉式洗浄装置が発売された。
ただし、LPCVD装置については1990年代に国際電気、アプライドマテリアルズが2枚葉、枚葉の装置を紹介したが、縦型バッチ装置も多く採用し続けられており、枚葉装置とバッチ装置は共存している。さらに薄膜化したALD世代でも共存している。同様の事がエピ装置でも起きている。
一般的にはより高度な品質要求への対応としてバッチ式から枚葉式への転換がなされるが、各技術の向上により、必ずしも全てがそれに当てはまる訳ではないという事である。


枚葉洗浄装置 DNS SPWシリーズ 6インチ1985、8インチ1989年発売
1995年 200mm MP-200発売
写真はSPWシリーズ


【参考文献】
創立20周年 社団法人化10周年記念誌(SEAJ)


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【最終変更バージョン】
rev.002 2010/10/26