1973年
トランジスタ用自動ワイヤボンダーの開発
〜パッケージング〜



1973年 日立製作所中央研究所と武蔵工場の技術者は、トランスファーモールド型シリコントタンジスタ組立ロボットを世界で始めて開発した。この装置はAWE(Automatic Wire-bonder with Eye)と称され、トランジスタ素子の画像をTVカメラで撮像し、その2値化データから配線すべき電極位置を見付け、金線で素子とリードフレームを平均0.2秒で接続する装置である。それまで女性の作業者が行っていた作業を機械に置き換えたもので、1975年には機械振興協会から第10回機械振興協会賞が授与された。

後には、より多端子のIC用ワイヤーボンダーCABS(Computer Automated Bonding System)が開発され、DIP・QFPなど多端子樹脂封止型パッケージ組立費の低減、接合品質安定化などに寄与し、この技術を適用した半導体デバイスの信頼性が高く評価され、1980年台にはDRAMメモリを中心に日本が世界No1の半導体販売位置を確保するなど日本半導体が信頼性面で優位に立つことになった。

これらのボンディング技術は、米国モトローラ社からの8ビットマイコンなどのマイコンMPU技術導入にも寄与した。日立の技術はその後叶V川などワイヤーボンダーメーカに引き継がれ現在に至っている。

下図左からカメラ画像2値化パターン図、自動組立機模式図、組立完了写真である。



【参考文献】
柏岡政治、江尻正員、坂本雄三郎;「時分割パターン制御にとる郡制御トランジスタ組立システム」電気学会昭和51年1月号

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【最終変更バージョン】
2013/8/12