1986年
PLCC型パッケージ採用DRAMの輸入差し止め訴訟提訴
〜パッケージング〜



1986年5月米国TI社は、日立・東芝・NEC・三菱・松下・沖・シャープ・富士通・三星のDRAMメーカ9社に対して、TI社の開発したPLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)の特許(USP4495376)を侵害しているとして、国際貿易委員会(ITC:Internatinal Trade Commission)に、不当輸出販売により米国企業が不利益を蒙っているので、64KDRAMの輸入差し止めをして欲しいとの主旨の提訴が行われた。

この頃は日本のDRAM事業が世界を席巻しており、TI社は半導体部門の企業収益が急速に悪化しており、ICの基本特許(通商キルビー特許)を武器にDRAMメーカに優位に特許交渉をして、特許収入による事業再生化が目指されていた。

下図の左はTI社の特許でトランスファーモールド法によりレジンの突起を付け、この突起に沿ってリードフレームの先端をJ文字形状に成型する。右図は、日立の64kDRAMを適用したプリント基板にはんだ付けした18ピンPLCCの断面写真である。

日立のJ文字成型方式は金型で成型しレジン突起を使用しないで成型していたこと、レジン突起を持たない構造に変更されたことなどが説明された。


【参考文献】
村上元;「TI社特許訴訟とLOC技術共同開発」
日立製作所 知的所有権本部75年史、蝉の輪会HP


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【最終変更バージョン】
2010/10/26