1970年代
マイコンの開発と発展

〜集積回路〜



Intelは、1971年に世界最初の4ビットマイコン4004を発売したのち、1972年には8ビットマイコン8008、1974年には8080、1978年16ビットマイコン8086を発売した。NEC、東芝、日立など国内半導体各社もIntelに続いて、4ビットマイコン、8ビットマイコンさらには16ビットマイコンを開発、量産化していった。特にNECは1972年に4ビットマイコンμPD700を試作し、1973年に4ビットマイコンμCOM-4(μPD751)を発表、さらに1974年には8ビットマイコンμCOM-8と16ビットマイコンμCOM-16を開発した。また、東芝は1973年に車載用エンジンコントローラ12ビットマイコンであるTLCS-12を開発した。

マイコンの使用にはソフトウェア開発を伴うため、各社からマイコンキットが提供された。NECからはTK-80、日立からはH68/TRいうボードが提供された。

マイコンは当初産業用といわれたが、オフィス機器、家電機器、端末機器、自動車、産業機器などへと用途が広がってゆき、やがてVTRなどのデジタル民生機器、電子ゲーム機器などに拡大した。

1970年代のマイコンは、CPUと周辺ICが別々のチップで構成されていたが、便利な周辺ICが次々に追加されていった。周辺ICは用途別に専用制御LSIとして開発され、日立のCRT(Cathode Ray Tube)コントローラやNECのフロッピーディスクコントローラなどが業界標準になっていった。一方、1970年代末には、CPUと周辺ICがワンチップ化されたシングルチップマイコン(MCU)が登場した。

写真 NECのμCOM-41)
1973年に製品化された。製造プロセス技術は7.5μm。2MHzで動いた。2500個のトランジスタを1チップに集積した。

【参考文献】
1) 「矢野陽一のマイコン論(1)」 ITPROホームページ
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20051201/225552/
2) 日本電気株式会社百年史 日本電気社史編纂室編集 日本電気 2001年12月


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【最終変更バージョン】
rev.000 2010/11/8