1960年代
日本半導体メーカは品質重視の経営を徹底
~業界動向~
戦後日本の製造業企業は、日本の国勢調査計画において(米国を中心とする)GHQを支援した米国の統計学者W.デミングの指導を受けて長期信頼性を確保する品質管理に力を注いだ[1]。1950年代にトランジスタ生産を開始した日本の電気企業もデミング法による品質管理を徹底した。トランジスタ発祥の米国が一定期間の品質確保で充分としたのに対して、1959年に日本がゲルマニウムトランジスで世界一の生産の生産国となり[2]、60年代初頭にシリコントランジスタを含めて世界一になったのも[3]、この徹底した品質重視が大きな原動力になった。1970年代以降のLSI産業でもこの品質重視が歩留向上にも寄与し、日本の半導体の競争力を大きく高めることになった。
日本メーカの品質管理活動は構図的に大別すると、
1.新製品の品質設計:新製品やプロセスに関する品質認定、基準設定、信頼性保証
2.量産工程内品質管理:材料、部品検査、全数検査、抜き取りロット判定
3.市場対応品質管理:最終検査、クレーム処理、市場からの情報収集とフィードバック
となっており、さらにそれは 下記のような全社の集団的な取り組みであった。
1) 技術者間、技術者とオペレータの連携が密。
2) 生産現場の小集団活動が活性化されていた。
3) 生産工程で品質を作り込む姿勢があった。
さらに工程的にみると前工程ではクリーン化の為
1.空気と水の清浄度を維持できる設備、施設に積極開発、投資をした。
2.人体発塵の低減のため、洗浄作業の自動化も進めた。
後工程では
1.手作業による品質のばらつきを小さくするため装置の自動化を推進
2.自動化機械のメンテ、管理の徹底
日本の品質管理法による発展によって1980年代の米国ではほとんど無名であったデミングは脚光を浴び、米国半導体企業も品質管理法を見直すことになった。上述の日本の品質管理の構図も米国で取り入れられ、モトローラによる6σなどの発展的なプロセス管理手法が開発されるようになった。
【参考文献】
- Deming Prize 60
https://www.juse.or.jp/deming/data/deming_60th.pdf - 日本半導体歴史館 業界動向 1959年 日本、ゲルマニウムトランジスタの生産で世界一
https://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi025.htm - 日本半導体歴史館 業界動向 1960年初頭 日本は世界最大のトランジスタ生産国
https://www.shmj.or.jp/industry-trends/it196002.html
Ver.001: 2026/2/1
