1990年代前半

i線縮小投影露光装置

〜装置・材料/リソグラフィ


1.3μm世代でリソグラフィはg線縮小投影露光(ステッパー)方式が標準になった[1][2]。ステッパーの解像度(R)は波長とNAに依存する(R ∝λ/NA)ので、サブミクロン領域のリソグラフィには光源の短波長化もしくはレンズの高NA化が必要であった。光源の短波長化ではg線(輝線436nm)からi線(輝線365nm)に向けられた。GCAは1986年に0.7μmを解像するi線ステッパー(NA=0.35)を発売した(8500DSW)。ニコンは1984年に解像度0.8μmのi線ステッパー(NSR-1010i3)を開発していた。しかしi線に感度の高いフォトレジストが未だなく、ニコンとキャノンは0.8μm向けにはg線で高NA化を図った。0.8μm世代はg線ステッパーが主流となった。

1980年代末に長瀬産業などからi線用のフォトレジストが開発され、1990年代の0.5μmプロセスに向けて、i線の縮小投影露光の開発が始まった。1990年、ニコンは解像度0.5μmのi線ステッパー(NA=0.5)を発売した(NSR-1755i7)(図1)。キャノンもi線ステッパー(FPA-2000i1)を開発し、VLSI産業はi線ステッパーによる0.5μmプロセスの16MDRAM世代の生産の主力となった。i線ステッパーはその後も高NA化が進められ、1996年にはニコン、キャノンにより解像度が0.35μmにまで改良され、64MDRAM世代の生産にまで使用された。

図1 i線ステッパー (NSR-1755i7)
(ニコン提供)

【参考文献】
[1]1980年代前半:微細化が進みリソグラフィはステッパに移行
[2]1980年代: g線縮小投影露光装置


[移動ページ]
■ 装置材料 該当年代へ

■歴史館の他のページへ
| HOME | ようこそ | 業界動向 | 応用製品 | 集積回路 | 個別半導体他 | プロセス技術 |
| パッケージング技術 | 装置・材料 |


[最終変更バージョン]
Ver.001 2020/12/25