1990年代後半

300o標準化活動

〜装置・材料/ファブ・共通


半導体産業では、デバイスを形成するSiウェーハの口径を世代毎に1.3〜1.5倍に拡大させて生産性の向上が図られてきた。ウェーハの外形寸法の標準化は、1974年にSEMI[1]によって進められた(SEMIスタンダード)。以後、製造装置や材料の標準化はSEMIを中心に進められるようになった。ウェーハ口径の移行コストは世代毎に増大して行くが、特に150o径から200o径への移行は装置の大型化によりコストの増大率が大きくなった。また200o世代でファブ全体の自動化が始まった。このため300oウェーハへの移行に向けて、半導体産業全体で移行コストの増大を抑制する一層の標準化が要請された。

先ず、1994年に日本のJEIDA・SIRIJ[2]・JSNM・EIAJ・SEAJ[3]の半導体関連5団体による300oウェーハ標準化のための連絡会(J300)が組織された。1996年には日本の半導体企業による半導体技術共同開発会社(Selete)が設立され、300oウェーハプロセス用製造装置・材料の評価が始まった。同年(1996年)、SEMATECH[4][5]が中心となって米国・欧州・韓国・台湾の半導体企業が参加するコンソーシアムI300I(The International 300mm Initiative)がスタートした。

1997年に第1回のWSC(World Semiconductor Council)が開催された[6]。ここで半導体技術の標準化に関する国際協力の重要性が確認され、I300IとJ300、およびI300IとSeleteとの間での300mm ウェーハ技術に関する情報交換を行うことが決定された。これにより、国際的なデバイス企業・装置企業・材料企業による標準化の協働活動が進められるようになった。300o世代のSEMIスタンダード化は、ウェーハ形状・ウェーハ搬送・装置のウェーハのロードポートやオペレーションインターフェース・ファブのユーティリティやCIMシステム・EHS(Environment, Health, Safety)の広範に及んだ。これらの標準化は、デバイスメーカーの装置・材料調達の自由度増大、装置・材料サプライヤの開発・製造コストの低減に大きな効果をもたらしたといえる。


【参考文献】
[1]1970年:SEMIの発足
[2]1994年:半導体産業研究所(SIRIJ)設立
[3]1985年:SEAJ発足
[4]1987年:米国SEMATEC(半導体共同開発機構)設立
[5]1987年:SEMATECの半導体製造装置開発
[6]1997年:第一回WSC開催


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